HIS研究発表会 2004年秋
in福岡(主幹:あまがせ産婦人科医院)
テーマ『今、こんなのとに取り組んでいます。』
〜当院の小さな工夫、大きなチャレンジ〜
サブテーマ『ママへのタッチケア』
発表者:上野亜津紗
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@こんにちは。ごきそレディスクリニック看護師の上野です。 |
A当院では立会い分娩希望のママがとても多いのですが、しっかり夫に妻の希望が伝わっていなかったりして、出産間際にあわてることが多々あります。 | |
Bなるべくママたちに気持ちよくお産をして頂きたいのですが、血が苦手なパパに妻のお願いでうーーーんと我慢をして倒れられて、どちらが患者様かわからなくなったり、何をしてよいかわからない夫の態度にちょっといらいらもします。 | |
Cこの打開策として、以前からパパママクラスでの粘土で赤ちゃんを作ったり | |
Dバースプランを考えるクラスを作ったり | |
E35週で私たち看護師がいろいろ説明します。「どんなお産をしたいか」二人で考える機会を促してきました。 | |
F今回夫婦間でお産の話し合いを考えてもらうアプローチの方法として6月から「アロマオイルを使ったタッチケア」を始め、患者様へアンケート方式で検証しました。 | |
G4月から9月までにお生まれになった207名にお手紙で送り返信してもらいました。 有効回答率は35%です。マッサージオイルをお渡ししたのが6月からなので、オイルをもらったグループとオイルをもらわなかったグループに分けました。 |
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HIオイルはリラックスを促すラベンダーとリフレッシュ効果を期待してオレンジを選びました。 | |
Jご本人の好きな香りを選んでもらい外来スタッフがNSTをつけながらハンドマッサージをします。 バタバタした外来ですが、この時間は大切にしています。 |
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Kスタッフはこの新しいケアの方法に取り組んでおり、患者様に喜ばれています。5分間のコミュニケーションは出産前の不安解消になります。 | |
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L外来、病棟スタッフは技術を考えず、患者様が気持ちよくなって、いろいろなお話をしてくださることが目的です。 |
M二人の楽しそうな写真をご覧下さい。 ハンドマッサージを喜んでくださった方に、帰ったら夫にやってあげて100倍返ししてもらうように薦めます。 |
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N外来でオイルを渡したことで、夫婦間でのバースプランや産まれて来る赤ちゃんの事を話せるきっかけができた方が多いです。 | |
O夫からの感想をアンケートから抜粋しました。 「すごくよいことだと思います。妻と生まれてくる子に愛情が伝わる気がします。妻が気持ちよさそうなので、お腹の中の赤ちゃんも気持ちいい気がします。」「妻とのコミュニケーションが増すと思う」とあります。 |
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P妻からも「オイルがあるとやってみようと言う事になり、体に触れる機会が増えた。」「やさしい言葉と手のぬくもりが赤ちゃんに届いたと思うから」「誰かにゆっくりマッサージしてもらうのは気持ちいい」とあります。 | |
Q妻は夫にきちんと心地よいところを伝えることができます。 | |
Rまた、お産の満足度の向上にも役立っていくと思います。現在もワーカホリックの夫が多く、妻は仕事をしている夫への遠慮があります。 | |
S妻への夫の育児参加やねぎらいにおいては、ほぼ全員にあり、バースプランの話し合いや立会い分娩の有無に差はありませんでした。 | |
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21スタッフへのアンケートでは病棟スタッフは業務が忙しくなかなかマッサージをしている余裕がなかったり、マッサージの必要性を感じているスタッフがまだまだ少ないです。 |
22私個人は、今回の演者でもあるので、積極的に行いました。患者様とのコミュニケーションが取れて、とてもよかった反面「夫より看護師さんの方が安心するので傍にいて下さい」とせがまれ、困ったことも多々あります。外来スタッフも迷いながら今回のアンケート結果に励まされて頑張っていこうと言っています。これからもスタッフ仲間にアロマによるタッチケアの良さを伝えていきたいと思います。 | |
23最後にこのグラフをご覧下さい。オイルを使ったことにより夫婦間での話し合いがたくさん持てました。そのため、バースプランを話し合う機会が増し、子育てについての話し合いが増えたことが明らかです。核家族での、これからの妻の育児不安の解消には、子育てのパートナーである夫の力は絶対必要です。孤立育児にならないように、 | |
24インファントマッサージ、 |
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25スリング講習会、 |
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26おしゃべりの会やおっぱいの会保母と遊ぼう会等クリニックとしての試みは沢山ありますが最後の砦は夫の協力です。 | |
27妻へのねぎらい、育児参加、たまには夫からのマッサージがあれば頑張れそうです。 | |
28これからも家族を取り込んだ出産や母乳育児のサポートを続けていきたいと思います。 | |
29ありがとうございました。 |